音圧戦争に勝つ!すぐ真似出来るコンプ処理

DTM入門

90年代に始まり、今もなお続いている音圧戦争。

ストリーミングサービスの流行でラウドネス規制がされているとはいえ、今日もモダンなミキシングには音圧が欠かせません。

だからといってマキシマイザーなどのプラグインに頼ると、楽曲の大切なダイナミクスが失われます。

例えば、納得の行く音量バランスが取れたのに、マスターバスにOzoneをかけたら途端に音源が人工的になってしまった…。

といった経験をお持ちのDTMerは少なくないと思います。

そんな方に向けて、ダイナミクスを保ったまま簡単に音圧を上げる「パラレルコンプレッション」という方法を、今回は紹介していきます。

  1. そもそも音圧とは?
  2. パラレルコンプレッションの内訳
  3. パラレルコンプレッションの使い方
  4. まとめ

そもそも音圧とは?

音量はある時間の波形の大きさ、音圧は単位時間あたりの音量の合計です。

つまり、「音圧」を上げる(迫力を出す)には「短い時間になる音の密度」を上げれば良いということになります。

それにはどうしたら良いか、ですが

例えばドラムキットの波形やピアノの波形のように一瞬で音量が小さくなる

波形に

収縮後の波形を引き上げたもの

を足していけば良いです。(下記の図を参照してください)

このように、コンプレッサーを並列で使うことでパート別に簡単に音圧を稼ぐことができ、楽曲のダイナミクスを保つことが出来ます。

この方法が「パラレルコンプレッション」です。

では実際にその方法を紹介していきます。

パラレルコンプレッションの内訳

ドラムキットを例に説明していますが、実際には音のサステインが短い楽器全てに当てはまるレシピです。

通常の処理をした音と、

  1. アタックタイムを遅く
  2. リリースタイムを遅く
  3. レシオを高く

設定してコンプレッサー処理をした音を重ねます。

パラレルコンプレッションの使い方

あとは原音に混ぜる量を決めるだけです。

音量を決める際に、

パラレルコンプレッションの音量をナシから上げていっても聴覚上の変化がない

区間があり、

ある一点を堺に急激に聴覚上の変化が起きます。

その分岐点から少し上の部分に設定するのが、混ぜる量を間違えないポイントです。

これはひとつのレシピですが、楽曲のダイナミクスを損なわない為のひとつの鍵になります。

まとめ

特にドラムキットに適用するのは簡単なので、是非一度試してみてください。

ドラムキットの迫力に満足がいかない、ピアノの音圧を上げたい、または楽曲の一部分だけ音圧を上げたい。そのようなときに有効なのが今回紹介したパラレルコンプレッションです。

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著者情報

Ikumi Magata

ミキシング&マスタリングエンジニア/作曲家/シンガーソングライター。東京を拠点に、これまで300曲以上の作品に携わる。ロック、EDM、ポップスを得意とし、日本独自のポップサウンドにも精通。

音楽レーベル「Akashic Records」およびDTMスクール「Akashic DTM教室」の代表。現在は独立系レーベル運営と教育活動を並行しながら、国内外のアーティストと協働中。

経歴:

  • 2012年 Swan Song Records(日本)よりシンガーソングライターとしてデビュー
  • 2014年 東京都立大学大学院修了
  • 2022年 RAX Record Label(インド)とアーティスト契約
  • 2023年 一般社団法人新日本音楽振興会と業務提携

現在、SoundBetterでは期間限定で割引価格にてミキシング/マスタリングサービスを提供中。

📍拠点:東京

🎧 使用機材:Mac Studio / Logic / Cubase / Studio One / Waves Ultimate

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