プロの秘密!簡単にできるパン・リバーブの基本
コンプやEQは何となくプリセットや感覚で出来るけれど、パンの調整やリバーブの決め方が分からない。
ミキシングの途中で、こんな風に途中で手が止まってしまう方は少なくないでしょう。
そこで今回は、プロのエンジニアが、基本的なパンの調整方法とリバーブの決め方のレシピを紹介していきます。是非参考にしてください。
三点定位の考え方
例えば、ボーカルをはっきり聴かせたいけれど、ギターの音も主張したい。こんなシチュエーションは数え切れないほどあるでしょう。
そんなときには、「三点定位」の考えを利用するのが一番の近道です。
「三点定位」とは、L(Left)、R(Right)、C(Center)に振り切った定位に音を配置する手法です。上記の様な状況では、ギターの音を2つにコピーし、ひとつのトラックをL、もうひとつのトラックをRに振り切り、Cの場所を空けます。
しかし、ただ同じ音をコピーしただけでは特に何も変化が起きませんので、左右のEQ設定を微妙に変えます。
これにより、ステレオサウンドを作り出しつつ、真ん中のスペースを空けられるのでボーカルの音もギターの音も両方主張させることが出来ます。
非常に基本的で簡単な手法なので、是非取り入れてみてください。
効果音は回す
次に紹介するのは、「効果音は回す」というパンのテクニックです。
楽曲中に一回しか登場しないような音、ほんの一瞬登場する効果音は、オートメーションやAuto Panのエフェクトで定位を動かします。
一番楽なのは動画にあるようにプラグインを使って、頭の周りを回るようなエフェクトをかける事ですが、プラグインが無くてもオートメーションを書くことによって、このテクニックは実現可能です。
さて、なぜこのようなことをするのかというと、
「登場する回数(秒数)が少ないのに存在感が薄くては意味がない」
という考えを持っているからです。
存在感を出すために音量を上げる、というのもひとつの手法ですが、効果音の音量が大きいのは一般的に不自然です。
人間は本能的に動きのあるものに注意が向くため、この特性を利用して「効果音は回す」というわけです。
全体を馴染ませるためのリバーブ
リバーブの作り方は下記の手順どおりがおすすめです
- 楽器が実際に録音される場所をエミュレートする
- それぞれ異なる場所で録音された楽器が、あたかも一つの部屋で録音されているように聴かせる
まず、編集中のトラックがとこで録音されたものかを考えます。
例えばピアノであれば、多くの場合ホールで演奏されますので、ホールタイプのリバーブを付加します。
ここで重要なのは、
「リバーブがギリギリ認知出来る」
レベルで薄く、リバーブをかけるということです。
各トラックに同様の処理を行った後は、各パートが「あたかも一つの部屋で演奏している」ような演出をリバーブで行います。
例えばドラムは小さな部屋、ピアノはホールを想定したとして、明らかに2つは同じ部屋では演奏していないわけですから、そのままでは浮いた印象のミックスになってしまいます。
そこで、「中くらいの大きさの仮想的な部屋」を用意します。
そこにまた、「ギリギリ認知出来る」程度のリバーブを付加し、同じ部屋で演奏しているように聴こえる演出をします。
最終調整の方法はいたって簡単で、DAWの再生/停止 を素早く行って、どちらの音もぴったり同じように止まるポイントを探すだけです。
これで、「自然でかつ、混ざりの良い」ミキシングが完成していきます。
まとめ
このように、リスナーの注意をどうやって引くか、自然な演奏に近づけるにはどうしたら良いか、を考えていくとミキシングはどんどん簡単に、どんどん楽しくなっていきます。
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