DTMで立体感を出す方法|プロは「音像」をどう設計しているのか
DTMで立体感が出ない原因は「音像設計」にあるかもしれません。本記事では、歪み・高域カット・並列処理・リバーブを使った前後感と左右感の作り方を、実際のレッスン内容を元に解説します。
プロは「EQ」ではなく“音像”を設計している

「ミックスしても平面的に聞こえる」
「左右には広がるけど、奥行きが出ない」
「迫力が欲しくて音量を上げると逆に潰れる」
DTMでバンドサウンドを作っていると、
こう感じたことはないでしょうか。
実際、Akashic DTM教室でも、
「音は増えているのに、なぜか立体感がない」
という相談は非常に多いです。
しかし多くの場合、
問題はEQや音圧ではありません。
原因は、
「音像の設計」
にあります。
初心者は「音量」で迫力を作ろうとしてしまう

DTM初心者の方は、
- 音量を上げる
- 高域を足す
- ワイドナーを使う
- 深いリバーブをかける
ことで立体感を作ろうとしがちです。
ですが実際のプロミックスでは、
「前後」「左右」「距離」「空気」
を設計して、
立体感を作っています。
つまり、
“どんな音か”
ではなく、
“どこで鳴っているか”
を作っているのです。
今回のレッスンで作った「音像」

今回のレッスンでは、
ピアノを中心に、
- 前後感
- 左右感
- 空間密度
を並列処理で設計していきました。
特に重要だったのは、
「まず土台となる音像を作る」
という考え方です。
初心者は、
全楽器を並べながらミックスしがちですが、
プロはまず、
「この曲の空間ルール」
を決めます。
今回の場合は、
- 奥に巨大なディストーションの壁
- 前にボーカル
- ピアノは中心
- 他の楽器はその間
という、
Mogwai的な空間を設計していきました。
前後感は「歪み」で作る

ここはかなり重要です。
初心者は、
「前後感 = リバーブ」
と思いがちです。
しかし実際には、
“歪み”
が非常に重要です。
今回のレッスンでは、
一番奥に配置するピアノに対して、
- ハード系ディストーション
- 極端な高域カット
を行いました。
すると、
- 輪郭がぼやける
- 判別しづらくなる
- 空気越しに聞こえる
ようになります。
つまり、
「遠くで鳴っている感覚」
が生まれるのです。
高域カットは「物理法則」の再現

今回特に重要だったのが、
高域カットの考え方です。
遠くの音ほど、
高音は減衰します。
これは、
「距離の二乗に反比例して減衰する」
という物理法則に近い現象です。
つまり、
奥行きを作るとは、
「高域を削ること」
でもあります。
今回のレッスンでは、
通常のEQではあまり見ないほど、
極端に高域を削りました。
しかしこれによって、
- 奥行き
- 空気感
- 壁越し感
が大きく増します。
リバーブは「空間を埋める」ために使う

前後感を作った後、
その間を埋めるためにリバーブを使います。
ここでも重要なのは、
「ブライトなリバーブを使わない」
ことです。
初心者は、
綺麗なリバーブを選びがちですが、
明るいリバーブは、
手前に出てきます。
今回のレッスンでは、
ダークタイプのホールリバーブを使用し、
さらに高域を大幅にカットしました。
これは、
「奥に存在していてほしい」
という音像設計に合わせるためです。
左右感は「並列処理」で作る

今回のレッスンでは、
ピアノを左右にも分解しました。
- 高音側を右
- 低音側を左
へ配置し、
それぞれを独立して加工しています。
ここで重要なのは、
「単純なパンニングではない」
ことです。
左右それぞれに、
- EQ
- ショートディレイ
- 補強処理
を行い、
“時間差”
で広がりを作っています。

これによって、
単に左右へ広げるのではなく、
「空間そのもの」
が広がって聞こえるようになります。
パラレルコンプレッションで“手前”を作る

今回のレッスンでは、
H-Compを使った
強いパラレルコンプレッションも行いました。
24dB近いリダクションをかけながら、
アナログノブで解像度を落としています。
ここで重要なのは、
「コンプ = 音圧」
ではないことです。
むしろ、
「前に出す」
ために使っています。
解像度を少し崩しながら、
密度を上げることで、
原音より少し手前に
音像を配置しているのです。
プロは「音色」より「配置」を聴いている

ここは非常に重要です。
初心者は、
- EQ
- 音圧
- 音色
に意識が向きやすいですが、
プロは、
「どこに配置されているか」
を聴いています。
例えば、
- 一番奥は濁っているか
- 手前は明瞭か
- 空間密度はどうか
- 左右の空気は分離しているか
など。
つまり、
「どこに配置されているか」
を設計しています。
並列処理は「演出」にも使える

今回のレッスンでは、
VCAリンクも使用しました。
これによって、
- 複数の並列処理
- リバーブ
- ディストーション
を、
バランスを崩さず一括操作できます。
特に後半では、
145小節付近から徐々に並列処理を上げ、
ピアノの迫力を増していく演出を行いました。
ここで重要なのは、
「楽器を増やさなくても盛り上げられる」
ことです。
つまり、
音像変化そのものが、
アレンジになるのです。
「ミックス」で音像を作るのでは遅い

今回のレッスンで特に重要だったのは、
「音作り段階で空間を作る」
という考え方です。
初心者は、
アレンジ完成後にミックスで何とかしようとします。
しかし実際には、
- 奥行き
- 左右感
- 空気感
が、
音作り時点である程度決まっています。
つまり、
「音作り段階で空間を作る」
ではなく、
“設計の延長”
なのです。
Akashic DTM教室では「空間設計」まで学べます

Akashic DTM教室では、
単純なEQやコンプレッサーの使い方だけでなく、
- なぜ奥行きが生まれるのか
- なぜ平面的に聞こえるのか
- なぜプロの音は立体的なのか
といった、
「音像設計の考え方」
まで含めてレッスンを行っています。
「ミックスしても迫力が出ない」
「空間系エフェクトを使っても奥行きが出ない」
そんな悩みがある方は、
ぜひ一度体験レッスンをご利用ください。

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