なぜ米津玄師っぽい切なさが出るのか?|ハーモニックマイナーとブルーノートの使い方
なぜ米津玄師やずっと真夜中でいいのに。のメロディーは切なく聞こえるのか?本記事では、ハーモニックマイナーとブルーノートの使い方を通して、“暗いのにキャッチー”なJ-POPメロディーの作り方を解説します。
ハーモニックマイナーとブルーノートの使い方を解説

「暗いのに、なぜか耳に残る」
「切ないのに、キャッチー」
米津玄師さんや、ずっと真夜中でいいのに。の楽曲を聴いていると、
そんな不思議な感覚になることはないでしょうか。
実はこの“感情の揺れ”には、
- ハーモニックマイナー
- ブルーノート
といった、
音楽理論的な仕組みが関係しています。
もちろん、
良いメロディーは理論だけで作れるものではありません。
しかし、
「なぜそのメロディーが切なく聞こえるのか」
を理解すると、
作曲の自由度は一気に上がります。
今回は実際のレッスン内容を元に、
- ハーモニックマイナーの使い方
- ブルーノートの使い方
- “暗いのにキャッチー”な理由
を、
J-POP目線で解説していきます。
そもそも「マイナー」はなぜ暗く聞こえるのか

まず大前提として、
マイナースケールは、
「メジャースケールの3度下」
から始めたスケールです。
例えば、
Cメジャースケールが
C D E F G A B
なら、
Aから始めることで、
A B C D E F G
という、
Aマイナースケールになります。
使っている音は同じなのに、
始まる場所が違うだけで、
暗い印象になります。
これが、
ナチュラルマイナーです。
でも、ナチュラルマイナーには弱点がある

ここがかなり重要です。
メジャースケールでは、
「7度 → 1度」
が半音になります。
例えば、
Cメジャーなら、
B → C
です。
この半音進行が、
強い“帰ってきた感”を作ります。
しかし、
ナチュラルマイナーでは、
G → A
になり、
全音になってしまいます。
つまり、
「解決感が弱い」
のです。
そこで生まれたのが、
ハーモニックマイナー
です。
ハーモニックマイナーは「7度」をシャープする

例えばAマイナーなら、
A B C D E F G
だったものを、
A B C D E F G#
に変えます。
つまり、
7度を半音上げる
わけです。
すると、
G# → A
という、
強い解決感が生まれます。
これが、
“切なさ”や“ドラマ感”
の正体の一つです。
なぜ「切ない」のか?

ここが面白いポイントです。
ハーモニックマイナーでは、
F → G#
という、
かなり広い音程ジャンプが発生します。
これによって、
- 不安定
- 緊張感
- 異国感
- 浮遊感
が生まれます。
この独特の響きが、
いわゆる
「エモい感じ」
に繋がっています。
アニメ音楽やJ-POPで、
“ちょっと泣ける感じ”
が出るのは、
この動きが理由のことも多いです。
米津玄師っぽさの正体は「不安定音」
ここで重要なのが、
「安定」と「不安定」
のバランスです。
例えば、
ブルーノート。
これは、
通常のスケールにはない、
少しズレた音です。
特に使いやすいのが、
「3度のフラット」
です。
例えば、
通常の明るい3度に対して、
少し低い音を通過させることで、
- 苦しさ
- 引っかかり
- 人間っぽさ
が生まれます。
ブルーノートは「不安定だから気持ちいい」

ただし、
ここで重要なのが、
「ブルーノートだけでは成立しない」
ことです。
ブルーノートは、
かなり不安定です。
なので、
- 主音
- 普通の3度
など、
安定した音で挟む必要があります。
つまり、
「不安定 → 安定」
を作ることで、
感情が動きます。
これが、
現代J-POPで非常によく使われています。
ずっと真夜中でいいのに。もよく使っている
実際、
ずっと真夜中でいいのに。のBメロなどでは、
3度のブルーノート的な動きが
かなり頻繁に登場します。
重要なのは、
「外している」
のではなく、
「一瞬だけ不安定にしている」
ことです。
そして、
その後すぐに安定音へ戻します。
これによって、
- 違和感
- 中毒性
- emotionalな感じ
が生まれます。
「暗いのにキャッチー」はどう作る?

ここまでをまとめると、
現代J-POPでは、
- マイナー感
- 不安定感
- 解決感
を、
細かくコントロールしています。
例えば、
- フレーズ終わりを主音にする
- ハーモニックマイナーで解決感を強くする
- ブルーノートで一瞬崩す
など。
つまり、
「感情を揺らす設計」
をしています。
実際に試すなら「マルサ進行」がおすすめ
今回のレッスンでは、
C → G → Am → F
という、
いわゆる“マルサ進行”で
実践を行いました。
この進行は、
J-POPで非常によく使われます。
まずはこの進行に対して、
- Aマイナー
- ハーモニックマイナー
- ブルーノート
を混ぜながら、
短いメロディーを書いてみるのがおすすめです。
最初は「コードトーン」をなぞるだけでも良い

初心者の方は、
「自由にメロディーを書こう」
とすると止まりやすいです。
なのでまずは、
「コードに含まれる音」
を中心に並べるのがおすすめです。
その中に、
- G#
- ブルーノート
などを、
少しだけ混ぜます。
これだけでも、
かなり“J-POPっぽさ”
が出ます。
理論は「感情」を説明するためにある

今回のレッスンで特に重要だったのは、
「理論 = ルール」
ではないことです。
本来理論は、
「なぜそう聞こえるのか」
を説明するためにあります。
例えば、
- なぜ切なく聞こえるのか
- なぜ浮遊感が出るのか
- なぜエモく感じるのか
を理解できると、
作曲はかなり楽しくなります。
Akashic DTM教室では「感情から逆算する作曲」を重視しています

Akashic DTM教室では、
単純なスケール暗記ではなく、
- なぜその音が切なく聞こえるのか
- なぜJ-POPっぽく聞こえるのか
- なぜ不安定なのに気持ちいいのか
といった、
「感情ベースの作曲」
まで含めてレッスンを行っています。
「理論を勉強しても曲に使えない」
「J-POPっぽいメロディーが書けない」
そんな悩みがある方は、
ぜひ一度体験レッスンをご利用ください。

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