コード進行の作り方|代理コードと部分転調で「マルサ進行」に変化をつける方法
「コード進行がワンパターンになる」
作曲を始めたばかりの方から、非常によく聞く悩みです。
最初は王道進行やカノン進行を覚え、ある程度曲が作れるようになります。しかしその後、多くの人が
- いつも同じ響きになる
- 予想通りに進みすぎる
- オリジナリティが出ない
という壁にぶつかります。
実はプロの作曲家も、基本となるコード進行を土台にしながら
代理コード
部分転調
を使って変化を加えています。
今回は、初心者でも取り入れやすいコード進行の発展テクニックを解説します。
コード進行は「安定」と「不安定」でできている

まず知っておきたいのが、
音楽理論の本質は安定と不安定の繰り返し
という考え方です。
例えばCメジャーキーの場合、
Cコード
C(ド)
E(ミ)
G(ソ)
で構成されます。
これらは非常に安定した響きを持っています。
一方で、
Gコード
G(ソ)
B(シ)
D(レ)
は緊張感を持っています。
そのため、
C → G → C
という流れを作ると、
安定 → 不安定 → 安定
となり、人間は自然に心地よさを感じます。
実は多くのヒット曲は、この原理の上に成り立っています。
まずはマルサ進行を理解しよう
今回のテーマである「マルサ進行」は、
日本のポップスでも頻繁に登場する定番進行です。
キーCで考えると、
Am → G → C
という流れになります。
度数で表すと、
6 → 5 → 1
です。
この進行が心地よく聞こえる理由は、
元々の有名な進行である
Dm → G → C
つまり
2 → 5 → 1
から派生しているためです。
代理コードとは?

ここで登場するのが代理コードです。
代理コードとは、
構成音が似ているコードを代わりに使う手法
を指します。
例えば、
Cコード
C
E
G
Amコード
A
C
E
この2つは
C
E
という2音を共有しています。
つまり構成音の多くが共通しています。
そのため、
CとAmは似た役割を持ち、
互いに置き換えることができます。
これが代理コードの考え方です。
なぜマルサ進行が成立するのか

本来の
Dm → G → C
は
不安定 → 不安定 → 安定
という流れです。
ここでDmを代理コードのAmに置き換えると、
Am → G → C
になります。
つまり、
機能はほぼ維持したまま、
響きだけを変えているのです。
これがマルサ進行が自然に聞こえる理由です。
代理コードを使うだけで曲は一気に広がる

初心者の方は、
新しいコード進行を大量に覚えようとしがちです。
しかし実際には、
既存の進行を代理コードで置き換える方が効率的です。
例えば、
元の進行
C → F → G → C
↓
代理コードを使用
Am → F → G → C
このようにするだけで、
雰囲気は大きく変わります。
それでいて機能は保たれるため、
破綻しにくいのが特徴です。
部分転調で意外性を作る

さらに発展させる方法が
部分転調
です。
部分転調とは、
曲全体ではなく、
一部だけ別のキーの要素を借りてくる手法です。
例えばAマイナーで作曲しているとします。
通常であれば、
Aマイナーのダイアトニックコードだけを使います。
しかし途中で、
Aメジャー由来のEメジャーを使うとどうなるでしょうか。
突然、
「おっ?」
という意外性が生まれます。
これが部分転調です。
プロがよく使う「一瞬だけ違う世界」の作り方

部分転調の面白いところは、
一瞬だけ景色を変えられることです。
映画で例えるなら、
突然照明の色が変わるような感覚です。
ずっと転調しているわけではないため、
リスナーは違和感よりも
「新鮮さ」
として受け取ります。
特に
- Cメロ
- 間奏
- ラスサビ前
などで効果を発揮します。
ハーモニックマイナーを少しだけ混ぜる

部分転調と相性が良いのが
ハーモニックマイナーです。
Aナチュラルマイナー
A B C D E F G
に対し、
Aハーモニックマイナーは
A B C D E F G#
になります。
7度の音が半音上がることで、
強い解決感が生まれます。
ただし、
これを曲全体で使うとクセが強くなります。
おすすめは、
1小節だけ
フレーズの最後だけ
といった部分的な使用です。
「いつの間にか戻る」が上級者のテクニック

面白い作曲テクニックとして、
最初だけ変な音を使い、
徐々に普通へ戻していく方法があります。
例えば、
前半
- ハーモニックマイナー
- ブルーノート
- 部分転調
を使う
後半
- ナチュラルマイナーへ戻す
という構成です。
するとリスナーは
「気づいたら落ち着いていた」
という感覚になります。
派手な転調よりも自然に印象を変えられるため、
アーティスト作品では非常に有効です。
初心者におすすめの練習法

まずは以下の順番で試してみてください。
STEP1
マルサ進行
Am → G → C
を作る
STEP2
代理コードを探す
STEP3
1箇所だけ別キーのコードを入れる
STEP4
ハーモニックマイナーを1小節だけ使う
STEP5
違和感が強ければ元に戻す
この繰り返しで、
「普通の進行から一歩先」
へ進めるようになります。
まとめ

コード進行を発展させるコツは、
難しい理論を増やすことではありません。
まずは
- 安定と不安定
- 代理コード
- 部分転調
という3つを理解することです。
特にマルサ進行は、
代理コードの考え方を学ぶのに最適な教材です。
さらに部分転調を加えることで、
定番進行でもオリジナリティのある響きを作れるようになります。
「なんとなくコードを並べる」段階から卒業したい方は、
ぜひ今回の考え方を取り入れてみてください。
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