作曲の収入の仕組み|配信・印税・BGMで何が入るのか

「作曲で収入を得るといっても、実際にはどこから、どのようにお金が入ってくるのだろう」。作曲を仕事にしたい方が最初に戸惑うのが、収入の仕組みです。
この記事では、レーベルからのリリースや作編曲の依頼を続けてきた私の経験と、公的な情報をもとに、作曲で得られる収入の種類と、その組み合わせ方を解説します。
結論:「一度きりの収入」と「入り続ける収入」を組み合わせる
作曲の収入は、大きく分けて1曲ごとに一度だけ入る収入と、配信の売上や印税のように長く入り続ける収入の2種類があります。
それぞれに良さがあるので、どちらか一方に頼るのではなく、両方を組み合わせて収入の柱を作っていくことが大切です。
作曲で得られる収入は大きく2種類
| 1曲ごとの収入(買い切り) | 入り続ける収入(分配・印税) | |
|---|---|---|
| 主な例 | BGM制作、作編曲の依頼 | 配信の売上からの分配、著作権使用料 |
| 入り方 | 納品したときに一度だけ | 曲が聴かれ、使われる限り入り続ける |
| 特徴 | 収入の見通しが立てやすい | ヒットすれば大きく、半永続的に入る |
私の考えでは、曲単価で入る収入は一度きりですが、印税の収入は半永続的です。そのため、ヒットしそうだと思える曲のときは、印税で受け取るほうを選んだほうが良いと考えています。
配信の売上から入る収入

レーベルからリリースした場合
私がレーベルからリリースしている曲では、半年に一度、配信の売上からの分配が入金されます。レーベルが配信と集計を行い、契約に応じて分配される仕組みです。レーベルへのデモの送り方は海外レーベルへのデモの送り方で解説しています。
自主リリースする場合
レーベルを通さずに、配信代行サービスを使って自分で配信することもできます。私も10年ほど前に、LANDRというサービスを使って自主リリースしていました。
知っておきたい「著作権」と「原盤権」の違い

作曲の収入を理解するうえで欠かせないのが、2つの権利の違いです。
- 著作権:作詞・作曲した楽曲そのものに対する権利です。カラオケや放送、配信などで楽曲が使われると、著作権使用料が発生します。日本では、JASRACやNexToneなどの著作権管理事業者が使用料を集め、権利者に分配しています
- 原盤権:録音された音源(レコード)に対する権利で、著作権法では「レコード製作者の権利」にあたります。音源を複製する権利や、インターネットで配信できる状態にする権利(送信可能化権)などが含まれます
出典:文化庁「著作隣接権」
つまり、同じ曲でも「楽曲を作った人」と「音源を制作した人」で、受け取る権利が分かれています。私自身は現在、権利の管理をすべてレーベルに任せています。
依頼で曲を作るときの、権利と料金の決め方

作編曲の依頼を受けるとき、私は権利の扱いによって料金を変えています。
- 著作権を譲渡する場合:1曲あたりの単価を上げる
- 印税の配分を受け取る場合:1曲あたりの単価を下げる
著作権を譲渡すると、その後の印税は入らなくなります。そのぶんを単価に含めるという考え方です。逆に印税を受け取る場合は、曲が使われ続ければ後から収入が入るため、単価を下げて契約しています。
どちらを選ぶかは、曲の性質や依頼の内容によって判断します。権利の扱いは、契約の前に必ず依頼者と確認しておきましょう。
最初の収入は、BGM制作や素材サイトから
作曲で収入を得たい受講生には、まずBGM制作や、Audiostockなどへの登録で収入を作り始めることを勧めています。
Audiostockは、BGMや効果音などの音源を販売・購入できる国内のサイトで、作品を販売したいクリエイター向けの窓口もあります。自分の作品を登録しておけば、購入されるたびに収入につながります。
BGM制作の進め方は、BGM制作を仕事にする方法|動画・ゲーム向けの作り方と仕事の取り方で解説しています。
BGM制作を含めた副業の始め方はDTMを副業にする方法|未経験から最初の収入を得るまでで解説しています。
収入の柱をどう組み合わせるか
私が考える収入の組み合わせ方は、次の通りです。
- レッスンができるスキルがある場合:まずレッスンで安定した収入を得る
- そのうえで:印税の収入や、作品からの単発の収入を少しずつ増やしていく
レッスンやミックスの受注のように、作業に対して入る収入は安定しやすい一方、自分の時間を使います。印税や配信の分配は、曲が聴かれる限り入り続けます。安定した収入を土台にしながら、入り続ける収入を育てていくのが理想です。
税金について
作曲で収入が出た場合、金額などによっては確定申告が必要になることがあります。詳しくは国税庁のサイトや、税理士などの専門家に確認してください。
よくある質問
Q. 曲の依頼を受けるとき、買い切りと印税、どちらを選ぶべきですか?
ヒットしそうだと思える曲のときは、印税で受け取るほうがおすすめです。ただし印税を受け取る場合は、1曲あたりの単価が下がるのが一般的です。曲の性質と、すぐに必要な収入のバランスで判断しましょう。
Q. 配信の収入は、どのくらいの頻度で入りますか?
レーベルや配信方法によって異なります。私がレーベルからリリースしている曲では、半年に一度、分配が入金されています。
Q. 作曲を始めたばかりでも収入を得られますか?
BGM制作や、Audiostockのような素材サイトへの登録から始めるのがおすすめです。作品を増やしていくことで、少しずつ収入につながります。
まとめ
- 作曲の収入には、1曲ごとの収入と、入り続ける収入の2種類がある
- レーベルからのリリースでは、配信の売上からの分配が定期的に入る
- 著作権(楽曲)と原盤権(音源)は別の権利
- 著作権を譲渡するなら単価を上げ、印税を受け取るなら単価を下げる
- 最初はBGM制作や素材サイトから収入を作り始める
- 安定した収入を土台に、入り続ける収入を育てる
作曲・DTMで収入を得るルートの全体像は作曲・DTMを仕事にする方法|プロ・副業で収入を得る5つのルートで解説しています。
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