Serum入門|シンセが「難しい」を超える瞬間
Serumで学ぶ 音が変化し続けるシンセ」の作り方

シンセサイザーを触り始めた人の多くが、最初にこう感じます。
「結局、何をやってるのかわからない」
特にSerumのようなウェーブテーブルシンセは、
- ボタンが多い
- 横文字が多い
- 音が複雑
- EDMっぽい音になる理由がわからない
という理由で、初心者が挫折しやすい分野です。
ですが実際には、
「音をどう変化させるか」
という考え方が理解できると、一気に面白くなります。
今回の記事では、Akashic DTM教室 講師・Ikumi Magataのレッスン内容をもとに、
- ウェーブテーブルシンセの考え方
- SerumがEDMで使われる理由
- フィルターやLFOの役割
- “動く音”の作り方
を、初心者向けに解説します。
そもそもウェーブテーブルシンセとは?

まず大前提として、Serumは
「ウェーブテーブルシンセサイザー」
という種類です。
アナログシンセとの違い

昔ながらのアナログシンセは、
- サイン波
- ノコギリ波
- 矩形波
などをベースに、
- フィルター
- エンベロープ
で音色を変えていく方式でした。
つまり、
「波形そのもの」は固定
です。
Serumは“波形自体”を変形できる

一方、Serumは違います。
波形そのものを、
- 圧縮
- 引き伸ばし
- 歪ませる
- 別波形へ変化
できます。
これが、
「音が常に変化しているEDM」
を作れる理由です。
なぜ最近のEDMは飽きにくいのか?

昔のシンセサウンドは、
同じ音が繰り返される
ことが多くありました。
ですが最近のEDMは、
- 音色が動く
- 波形が変わる
- 質感が変化する
- 周波数が揺れる
ことで、
同じフレーズでも飽きにくい
構造になっています。
そして、その中心にいるのがSerumです。
シンセ音作りの基本は「4ステップ」

初心者はまず、この流れだけ覚えればOKです。
1. オシレーターを選ぶ
まず音の素材を決めます。
例えば、
- サイン波 → 丸い
- スクエア波 → 太い
- ノコギリ波 → 派手
- 謎の波形 → EDMっぽい
という違いがあります。
Serum初心者へのコツ
「意味不明な名前」を選ぶ
実はかなり重要です。
Serumには大量の波形がありますが、
- Saw
- Square
- Sine
など、わかりやすい名前は比較的シンプルです。
逆に、
- 意味不明な名前
- 変な名前
- 読めない名前
の波形ほど、
“ぐちゃぐちゃ感”
があります。
EDM系では、むしろこちらが武器になります。
2. エンベロープで“時間変化”を作る
シンセは、
「時間でどう変わるか」
が超重要です。
例えば、
- 徐々に大きくなる
- 一瞬だけ鳴る
- 余韻を伸ばす
などを決めるのがエンベロープです。
「Tokyo」っぽい音を作る時の考え方

Sekai no Owariの「Tokyo」のような音を分析すると、
- 最初は小さい
- 徐々に広がる
- 音色が変化する
という特徴があります。
つまり、
- 音量変化
- フィルター変化
- 波形変化
を組み合わせています。
3. フィルターで“見せたい場所”を決める
フィルターは、
特定の周波数だけ通す装置
です。
特に重要なのが、
バンドパスフィルター
特定帯域だけを通します。
例えば500Hz付近を強調すると、
「箱鳴り感」
が出ます。
クラップやリムのような質感に近づきます。
フィルターは“ポートレートモード”

これはレッスン中でもかなり面白かった例えです。
フィルターは、
写真のポートレートモード
に近いです。
- 見せたい部分を強調
- 不要部分をぼかす
ことで、
音の輪郭
を作っています。
レゾナンスとは?
フィルター周辺を尖らせる機能です。
レゾナンスを上げると、
- シャープ
- 刺さる
- 存在感が出る
方向になります。
イメージとしては、
輪郭線を黒ペンでなぞる感じ
です。
4. LFOで“動く音”にする

ここがSerum最大の特徴です。
LFOは、
周期的に変化を繰り返す装置
です。
例えば、
- 音量
- ピッチ
- フィルター
- 波形
を自動で揺らせます。
EDMが“ずっと同じ音じゃない”理由

最近のEDMは、
微妙に音色が変わり続ける
ことが多いです。
これはLFOで、
- 波形を変える
- フィルターを揺らす
- 音量を揺らす
などをしているからです。
エンベロープとLFOの違い
ここは初心者が混乱しやすいポイントです。
| 機能 | 動き |
|---|---|
| エンベロープ | 1回だけ変化 |
| LFO | 繰り返し変化 |
例えば、
- ピアノの音量変化 → エンベロープ
- ワブルベースの揺れ → LFO
です。
クラップを作る時の考え方

今回のレッスンでは、Serumでクラップも制作しました。
面白いのは、
「クラップ = ノイズではない」
という点です。
クラップは“複数レイヤー”
例えば、
| 役割 | 内容 |
|---|---|
| アタック | パチッ |
| 箱鳴り | ボフッ |
| 広がり | ユニゾン |
という構造になっています。
ユニゾンで“大人数感”を作る

Serumでは、
同じ波形を複数重ねられます。
さらに微妙にピッチをズラすことで、
「大勢で鳴らしてる感」
が出ます。
クラップでかなり重要なテクニックです。
FM変調は「今は雰囲気だけ」でOK
初心者が一番詰まりやすいのがFMです。
ですが最初は、
「波形をぐちゃっと変形する機能」
くらいで大丈夫です。
むしろ、
- フィルター
- エンベロープ
- LFO
のほうが先に重要です。
Serumが流行った理由

結局、Serum最大の強みは、
「簡単に飽きない音が作れる」
ことです。
昔のシンセより、
- 音が動く
- 波形が変わる
- 常に変化する
ため、EDMとの相性が非常に良いです。
初心者ほど“完成”を優先したほうが良い

ここはかなり重要です。
Serumは奥が深すぎるため、
無限に触れてしまいます。
ですが最初は、
「1曲完成させる」
ほうが圧倒的に大事です。
その中で、
- LFO
- フィルター
- 波形変更
を少しずつ覚えるほうが、実践的に身につきます。
まとめ

今回のポイントを整理すると、
- Serumは波形自体を変形できる
- EDMは“音が動く”から飽きにくい
- フィルターは見せたい帯域を決める
- レゾナンスは輪郭強調
- LFOは周期変化
- エンベロープは1回変化
- ユニゾンで厚みを作る
- 初心者はまず完成優先
という内容でした。
ウェーブテーブルシンセは難しく見えますが、
「音を変化させ続ける装置」
だと思うと、一気に理解しやすくなります。
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講師:Ikumi Magata

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