ボーカルのリバーブ設定で失敗する人の共通点 | Akashic DTM教室

プロ志向のミキシング

結論から言うと、ボーカルでも他のパートでも、失敗の共通点は「リバーブに対する考え方の間違い」です。

よくある誤解は、

「リバーブは音を目立たせるためにかけるもの」

という考え方です。

しかし、ミックスにおけるリバーブの本来の役割は、

「音をまとめるためにかけるもの」

です。

この記事では、空間を調和させるためのリバーブの考え方を解説します。

ミキシングスタジオ


ミックスの前提を改めて考える

ミックスとは、複数の音を前後左右(奥行き・定位)に整理し、聴感上のバランスを整える作業です。(ミックスの基礎はこちらの記事でも紹介しています)

特に歪みを利用して前後関係を作ると、前に出た音とそうでない音の間に“空間的な隙間”が生まれます。

その隙間を埋め、空間を共有させる役割を担うのがリバーブです。

カラオケのエコーのように派手にするものではなく、音同士をつなぐ「接着剤」として捉えることが重要です。


前後左右の音を一体化させる

ドラムのレコーディングスタジオ

では、どのような原理で音を一体化できるのでしょうか。

リバーブとは「残響音」、つまり空間から発生する反射音です。

例えば、ドラムとピアノがある楽曲を考えてみましょう。

ドラムはスタジオで録音され、ピアノはホールで録音されることが多く、打ち込み音源にもそれぞれの空間特性が含まれています。

つまり、同じ楽曲内でも異なる空間の音が混在している状態です。歪みを加えていれば、さらにその空間差は強調されます。

ここで空間を統一しないと、

  • 音がまとまらない
  • 音が抜けない

という状態に陥ってしまいます。

解決方法は、各パートに“共通の仮想空間”を用意することです。

例:

ドラムのセンド

Small Room -20dB

Medium Room -30dB

ピアノのセンド

Hall -12dB

Medium Room -20dB

このように「元々の空間」と「共有させるための空間」をミックスすることで、楽曲に一体感が生まれます。


リバーブを自然な音に整形する

コンサートホール

複数のパートにリバーブを加えたら、最後にリバーブを自然な音に整形します。

実際の空間では、距離が離れるほど高音は減衰します。しかしプラグインのリバーブは高域が強く出る傾向があります。

そのため、EQで高域を適度にカットすることで、より自然な空間表現になります。

やることはシンプルですが、これだけで「こもった強すぎるリバーブ」から「自然でクリアな空間」へと変わります。


まとめ

ボーカルをレコーディングする女性

リバーブで失敗しないための要点は次の3つです。

  1. リバーブの役割を正しく理解する
  2. リバーブを“接着剤”として使う
  3. 自然な聴こえ方になるよう整形する

リバーブは派手にするためのエフェクトではありません。空間を整えるためのツールです。

そしてミックス全体に共通する考え方として、

「どんな聴こえ方が自然か」

を常に意識することが、プロレベルのサウンドに近づくための重要な視点です。

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